どうも、畫家の萬朶櫻です。36朶目の記事です。
先月の健康診斷のついでに行かうと思つて、結局行けなかつた東郷青兒展に行つてきました。
あべのハルカス美術館リンク:【生誕120年 東郷青兒展 夢と現の女たち】
今日やつと東郷青兒展に行けた。肌のグラデーションと髮の質感が美しくてとても參考になりました。 pic.twitter.com/NbwQ06Xqmv
— 萬朶櫻 (@wanduoying) 2018年3月17日
關聯記事:健康診斷いつてきたよ。あと天王寺をぶらぶらしてきた
東郷青兒とは20世紀に活躍した畫家で、特に戰後は女性をモチーフにした畫風で人氣を博してゐました。彼の獨特な畫風は「東郷樣式」と呼ばれてゐたさうです。

圖録表紙より
すごい獨特ですね。 こんな感じの作品をたくさん描かれたさうです。
僕が「女しか描かねえ!」を自負してゐる以上、見ないわけにはいきません。
肌、髮の毛
かう云ふ繪畫は實物を見ないと良さが判らないとよく言はれます。東郷青兒の作品も例に洩れず、さうでした。
人物の肌を近づいて見たんですけど、陰影のグラデーションは至近距離で見てもデジタルで描いたグラデーションみたいに滑らかでした。
相當この部分に注力したんだらうなと思ひます。
實際、巷ではこの肌の美しさをことさらに強調してゐました。
しかし、この展を見る前、繪畫教室の先生から「髮の毛もよく見よう」と言はれてゐたので、僕は髮の毛を注意深く見てゐました。すると大事なことに氣が付きました。
この髮の毛、筆跡がかなりガッツリ殘してあるんです。作品によつてはまるで枯山水の庭の砂利みたいに筆跡のウネウネが見えます。
『京都フリー写真素材』より
美術館の賣店で賣られてゐる繪葉書や圖録ではそのあたりの質感が見えません。ほぼ潰れててベタ塗り状態になつてます。
かう云ふ發見も實物を見た人だけの特權ですな。
それでその髮の毛なんですけど、筆跡だけぢやなくて、使つてる繪の具の種類(あるいはメディウム)も他の部分とは何となく違ふんぢやないかと思つたんです。
どう云ふことかと言ふと、背景や人物の身體部分は光澤を抑へ目にしたマットな質感で描かれてゐたと思ふんですけど、髮の毛の部分だけは光澤のあるテカテカした感じに見えました。
こんなことを漠然と思ひながら繪の前で、
(ちよつと即席で作りました)
こんな風に僕が繪の前で左右に歩くと、天井の照明からの光が上手い具合に反射して、本物の髮の毛がそこにあるやうな感じがしました。
この髮の毛の盛り上がりとテカりは、それ以外の部分では見られませんでした。
背景や身體の平面的でマットな感じ、髮の毛の立體的でツヤのある感じ。
まるで眞つ黒い漆器を縁どる金箔のやうに對照的で、これのお蔭で「東郷樣式」がより引き立つてゐるんぢやないかと思ひました。
まとめ
「東郷樣式」は僕の目指す方向とは少し違ふと思ひます。しかし上で述べたやうな技術的な所は參考になりました。
今度繪を描く時に試してみようと思ひます。
記念に賣店で圖録を買つておきました。
あとこんなフィギュアもあつて草でした。 pic.twitter.com/tkk9jLavIR
— 萬朶櫻 (@wanduoying) 2018年3月17日
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