どうも、萬朶櫻(@wanduoying)、158朶目の記事です。
いやー、人生つてなかなか上手く行きませんよね。
この世知辛い世の中でよく聞く單語といへば、「運」と「實力」の2つ。
運 と 實力
皆さんは、人生の成否を決めるのはどちらだと思つてゐますか?
或る人
或る人
サクラ
なるほど、どちらとも正しいやうに聞こえますね。
でも、もし、どちらも間違つてゐるとするならば?
もし、運と實力の他に、蔽されたもう1つの要素があるとするならば?
人生の勝ちパターンを提示してくれさうな本を見つけたので、紹介します。
目次
人生は、運よりも實力よりも「勘違ひさせる力」で決まつてゐる(ふろむだ ダイヤモンド社)
冒頭で書いた「もう1つの要素」とは、タイトルにもある「勘違ひさせる力」のことです。
その「勘違ひさせる力」のことを、本書では「錯覺資産」と呼んでゐます。
本書の概要・ポイント
- 人生を左右する「錯覺資産」の解説
- 「錯覺資産」による「實力主義」の欺瞞を暴く
- 「錯覺資産」を利用した成功法を考へる
「錯覺資産」つて何?
錯覺資産の素、「思考の錯覺」
錯覺資産は、「思考の錯覺」といふものに基づいて産み出されてをり、
錯覺資産を知るためには、まづ「思考の錯覺」について知つておく必要があります。
思考の錯覺とは、心理學用語で云ふ「認知バイアス」のこと。
認知バイアス(にんちバイアス、英: cognitive bias)とは、認知心理學や社會心理學での樣々な觀察者效果の一種であり、非常に基本的な統計學的な誤り、社會的歸屬の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など人間が犯しやすい問題である。
――wikipedia『認知バイアス』より
筆者は「分かり易さのために『思考の錯覺』といふ言葉に置き替へた」とのこと。
本書で言及のある思考の錯覺(認知バイアス)は
- ハロー效果
- 少數の法則
- 運を實力だと思ひ込む錯覺
- 後知惠バイアス
- デフォルト値バイアス
- 一貫して偏つたストーリーを眞實だと思ひ込む認知バイアス
- 質問の置き替へに關する認知バイアス
- 利用可能性ヒューリスティック
- 感情ヒューリスティック
- 認知的不協和
こんなにもあります。
サクラ
しかも、この「思考の錯覺」は、自分では「錯覺状態」にあることに氣付きづらいとか。
サクラ
せやな。
これらたくさんの「思考の錯覺」が複雜に絡み合つて、錯覺資産なるものが産み出されてゐるわけです。
たとへばハロー效果
ハロー效果は、「なにか1つ、優れた部分があると、その他全部が優れてみえる」といふものです。
- 賣り上げを半期で73%増やしました
- 株式會社○○の營業部長をやつてました
- 月間300萬PVのブロガーです
こんな事を言はれると
サクラ
と、無意識に思つてしまふでせう。
これがハロー效果です。
もちろん、ハロー效果にはマイナスにも働き、
- 絶望的なブサイク
- 10億の商談をパーにした營業マン
- とんでもない失言をした政治家
こんな場合、「コイツは何やつてもダメだらう」と烙印を押されてしまふことも。
本題、「錯覺資産」とは
先述したハロー效果のやうに、思考の錯覺は、自分にとつてマイナスにもプラスにも働きます。
つまり、自分がイケメンだつたら、全體的な評價が勝手に上がるし、ブサイクだつたら、逆の評價になると云ふこと。
ここで重要なのは、プラス方向の「思考の錯覺」は、自分にとつてオイシイと云ふ事實です。
つまり、
- 他人があなたに對して思考の錯覺を懷いてゐる
- その思考は錯覺はあなたにとつて都合がいい
この2つの要素が合はさると、その錯覺は、あなたにとつて資産たりうるんですね。
サクラ
この錯覺資産を持つてゐると、他人からプラスに評價されやすくなり、良いことづくめ。
或る人
サクラ
サクラ
箸者も、書中で
錯覺資産を持つ者にとつて、人生はイージーモードの神ゲーだが
持たざるものにとつて、人生はハードモードのクソゲーになる
とキッパリ言ひ切つてゐます。
本書では、そんなチートレベルの武器「錯覺資産」を、どうすれば作れるのか。どうすれば増やせるのか。解説されてゐます。
結局のところ、世の中、實力主義なんかぢやない
思考の錯覺は、世の中の至るところに隱れてゐます。
しかも大多數の人が氣附いてゐないといふオマケ付き。
なので、いくら「これからは實力主義だ」とか「俺は公平にその人の實力を見てその人を評價してゐる」とか言つたところで、結局は思考の錯覺に事實を歪められてしまふわけです。
- 學生と社會人とでは、人生ゲームのルールが根本的に違ふ
- 「優秀な人はだいたい成功する」は本當か?
- なんでも惡く解釋される人と良く解釋される人がゐるのは何故か?
- 「安月給で喜んで働く社蓄」が生まれる理由
- 「ダメな奴はなにをやつてもダメ」なのは何故か?
などなど。
本書では、思考の錯覺に起因する、世の中の色んな不條理を暴いてくれてゐます。
その上で、僕らが人生で有利になるためには、思考の錯覺を理解すること。
そして逆に使ひこなすやうになることが重要だと説いてゐます。
まとめ
僕も以前までは、インパクトのある數字に一發ノックアウトさせられてゐましたが、今では一歩立ち止つて考へられるやうになつた氣がします。
そして、作品や實績などを發信するときには「どうすれば、より強力なハロー效果をつけられるだらうか?」と意識するやうになりました。
「思考の錯覺」は、あらゆる錯覺の中でも一番厄介なもの。
この本を一度讀み込んだ人でも、ふと氣を拔くとたちまちハマるものだとか。
僕は流されやすいタチなので、忘れた頃に讀み返したい本ですね。
▼紹介した本『人生は、運よりも實力よりも「勘違ひさせる力」で決まつてゐる』