どうも、萬朶櫻(@wanduoying)、153朶目の記事です。
洋の東西を問はず、美術や繪畫つて何やら難しいイメージがありますよね。
サクラ
サクラ
サクラ
このやうに、よくわからんタイミングで變な物が描かれてたり、人物が奇妙なポーズをしてゐたり……
知らない人からすると「なんで???」と思ふことばかりです。
そんな謎を解いてくれる本『○○で讀む美術史』シリーズを紹介しませう。
目次
『○○で讀む美術史』シリーズ(宮下規久朗 著 ちくま文庫)
モチーフと仕草、2つのアプローチから、繪畫を讀み解くヒントを提示してくれます。
サクラ
モチーフで讀む美術史
モチーフで讀む美術史2
しぐさで讀む美術史
ポイント
繪畫に隱された意味を理解できる
この本ではいちわう東洋美術も扱つてはゐますが、ほとんど西洋美術。
文化的に馴染みの薄い西洋美術のお約束について、たくさん紹介されてゐます。
これを見ながら繪畫鑑賞すればより深く作品を理解することができるでせう。
なぜ繪畫は分かりにくいのか
繪畫は、記號の集まりと云ふことができます。
たとへばモナ・リザは、1人の女性と背景と云ふ記號から成り立つてをり、
さらに細かく見ていくと、微笑んだ顏、斜め横を向いた姿勢、前で交叉する手……
と云ふふうに無數の記號が見てとれますね。
モナ・リザは割と分かりやすい部類なんですが、キリスト教がらみの物などは僕たちに馴染みがなく、分かりにくいんです。
サクラ
これは「キリストがペテロに漁をするやうに勸めると、魚が大量に獲れたといふ奇蹟」を傳へるものです。
畫面の人が誰なのかを理解できるかどうかによつて、この作品への理解度がぜんぜん變はつてくるんですね。
自分が描くときに參考になる
これは僕が描いたもので、體のしぐさ等を意識してゐます。
イラストと繪畫は微妙にジャンルが違ひますが、工夫次第ではかう云ふ表現も可能かと。
海外向けにイラストを描くときなんか、ウケが良ささうですね。
各書の目次、内容の紹介
モチーフで讀む美術史
動物:犬、豚、猿、鶏、猫、鼠、鳩、兎、羊、ライオン、牛、鷲、蜥蜴、蛇、龍、虎、馬、驢馬、鴉、孔雀、蝶、魚、鮭
食べ物や植物:肉、果物、蒲萄、パン、チーズ、豆、ジャガイモ、向日葵、薔薇、葦、種
自然:月、星、雷、虹、瀧
人工物:矢、燈、鏡、手紙、天秤、書物、砂時計、假面、バニタス、十字架、車輪、船、鐵道、門、扉、窓、梯子、端、分かれ道
人間:髮、心臟、血、裸、裸足と靴、性愛、慈愛、夢
――『目次』より。分類は萬朶櫻
扱ふモチーフは以上。壓倒的ボリュームですね。
どれも繪畫ではよく見るモチーフ。
これでだいたいの繪畫は讀み解けるはずです。
モチーフで讀む美術史2
動物:蠅、蜂、蝗、蜘蛛、象、熊、犀、鯨、狼、狐、猪、鹿、栗鼠、麒麟、一角獸、白鳥、鸚鵡、龜、蛙
食べ物と植物:海老、貝、野菜、サクランボ、ナツメヤシ、オリーブ、櫻、松
人工物:ピアノ、バイオリン、甲冑、傘、旗、鎌、扇、煙草、硬貨、骰子、トランプ、眼鏡、シャボン玉
自然:泉、彗星、雲、雨、雪、風、波、影、坂
その他:涙
――『目次』より。分類は萬朶櫻
有名どころはだいたい1卷で説明し終はつてるので、2卷はだいぶマイナーなところを攻めてます。
しぐさで讀む美術史
走る、踊る、梳る、毆る、踏む、吹く、食べる、飮む、おんぶ、落ちる、支拂ふ、手を取る、肩を組む、恥ぢらひ、嘲り、怒り、嘆き、絶望、醉態、驚き、叫び、笑ひ、祈り、祝福、正座、土下座、體育坐り、寢そべる、居眠り、頰杖、宣誓、聖なる手、脚を組む、腕を組む、數へ指、頭に手を置く、天を指す、沈默
――『目次』より
人間が取りうるポーズのほとんどが收録されてゐます。
これで今まで謎だつたしぐさの意味がわかりますね。
まとめ
以上、「○○で讀む美術史シリーズ」の紹介でした。
作品を鑑賞してゐて、よくわからんモチーフや仕草が出てきたら、この本を見るといいでせう。
サクラ
▼モチーフで讀む美術史
▼モチーフで讀む美術史2
▼しぐさで讀む美術史
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