どうも、萬朶櫻(@wanduoying)、161朶目の記事です。
みなさん、こんな事を考へたりしませんか?
或る人
或る人
どんどん出てくる、人類あるあるな惱みたち。
サクラ
人生における一大テーマについて、解決策を提示してくれさうな本を見付けたので、紹介してみます。
目次
嫌はれる勇氣―――自己啓發の源流「アドラー」の教へ(岸見一郎、古賀史健 ダイヤモンド社)
本書のポイント
- 世間ではあまり知られてゐないアドラーによる心理學を解説
- 人間の惱みの根源である「對人關係」を改善するための方便が滿載
- 「トラウマは存在しない」「承認欲求を否定せよ」とバッサリ
この本は、とにかくイケてない現状を打破し、幸せを手に入れるための方法を教へてくれます。
また、ほぼ全篇が青年と哲人との會話文で、他の本とは一風變はつた形式になつてゐました。
サクラ
こんな人にオススメしたい
「變はりたい」と思つてる人
或る人
人は「いま、この瞬間から變はることができるし、幸せにもなれる」
哲人 もちろん、人は變はれます。のみならず、幸福になることもできます。
青年 いかなる人も、例外なく?
哲人 ひとりの例外もなく、いまこの瞬間から。
――本文7頁より
「人は變はれる、しかも幸福になれる」と、この本ではしつこいほど繰り返されてゐます。
サクラ
呑み込むのは難しいかもしれませんけど、できるみたいですよ。
本當にそんなことが實現できるのか。氣になりますね。
でも、多くの人は常に「變化しない」といふ選擇をしてゐる
哲人 (中略)……あなたが變はれないでゐるのは、自らに對して「變はらない」といふ決心を下してゐるからなのです。
――本文51頁より
哲人 (中略)……あなたには、ただ「勇氣」が足りない。いふなれば「幸せになる勇氣」が足りてゐないのです。
――本文53頁より
みんなが「變はりたい」と思つてゐる。でも變はれない。
それは何故かといふと、人は無意識の内に「變はらない」といふ選擇をしてゐるらしいのです。
變はるためには勇氣が要る。
つまり、大多數の人は「變はるための勇氣」が足りないといふわけです。
サクラ
それは本文にて、詳しく書かれてゐます。
ちなみに、この「無意識の内に變はらない選擇をしてゐる問題」。
以下の記事で紹介した「錯覺資産」の本でも、「デフォルト値のバイアス」として、紹介されてゐたのを思ひ出しました。
形を變へて、複數の書籍で言及されてゐるといふことは、この「問題」はかなり本質的なんぢやないかと思ひました。
對人關係に疲れてゐる人
或る人
或る人
全ての惱みは、對人關係にまつはる惱みである
哲人 何度でも繰り返しませう。「人間の惱みは、全て對人關係の惱みである」。これはアドラー心理學の根底に流れる概念です。
――本文71頁より
アドラーは、「全ての惱みは、對人關係にまつはる惱みである」と言つてをり、本文でも繰り返しそのことが言はれてゐます。
サクラ
そこの所は本文で確かめてみませう。
劣等感は單なる思ひ込みで、見方を變へれば長所にもなる
哲人 (中略)……それは客觀的な「劣等性」ではなく、主觀的な「劣等感」であることを理解してください。身長のやうな問題でさへも、主觀に還元されるのです。
青年 つまり、われわれを苦しめる劣等感は「客觀的な事實」ではなく、「主觀的な解釋」なのだと?
――本文76頁より
アドラー心理學では、劣等感について「主觀的な解釋に過ぎず、客觀的な事實ではない」としてゐます。
本文では話しの流れで、身長についての議論がでてきました。
身長と云へば、みんな(特に男性?)が氣にすることですね。僕も微妙に低いので氣にしがちです。
登場人物の哲人も、昔は155センチの低身長といふ「缺點」に惱んでゐたとか。
しかし、ある日友人から言はれた言葉がキツカケで、「身長が低くても、他人を威壓しないといふ點では長所と見ることができるのでは?」と思ふやうになりました。
「身長が低い」といふ劣等感は、實は自分が思つてゐただけだつたのです。
このやうに、自分が劣等感を懷いてゐる要素があつたとしても、それに對する意味づけを變へれば、缺點が缺點でなくなり、しかも長所になる可能性すらあるわけですね。
承認欲求を否定せよ
哲人 (中略)……アドラー心理學では、他者から承認を求めることを否定します。
青年 承認欲求を否定する?
哲人 他者から承認される必要などありません。むしろ、承認を求めてはいけない。
――本文132頁より
個人的にいちばん衝撃的だつたのがコレです。
幸せを得る(あるいは滿足感を得る)ことは、すなはち承認欲求を滿たすことではないかと思つてゐたので。
しかしほとんどの場合、他者を滿足させることによつてしか、承認欲求を得られない。
なので、承認欲求をこじらせて生きることは、「他人の人生を生きてしまふ」ことに繋がるさうです。
ではどうすれば「他人の人生を生きずに濟む」のか。どうすれば承認欲求から解放されるのか。
これに關しては「課題の分離」といふアプローチが有效だと紹介されてゐます。
そこのところを詳しく知るなら、ぜひ本書にて確認してみてください。
まとめ
この「嫌はれる勇氣」は、今までさんざん惱んできた人間關係などを全て解消してくれるかもしれない本でした。
僕自身、讀んでゐて「せやな」と何度も頷きましたし、肩の荷が下りた心地すらしてゐます。
もし僕に子供が産まれたら「哲人」つて名前をつけようと思ひます。
▼紹介した本『嫌はれる勇氣―――自己啓發の源流「アドラー」の教へ』