ビジネスメールとかで歴史的假名遣ひを上手く避ける方法「廣辭苑前文法式」

どうも、國語こくごにはうるさい萬朶櫻ばんだのさくらです。56朶目の記事です。

僕があらゆる文章を歴史的假名かな遣ひと繁體字はんたいじで書いてゐることは周知の事實じじつだと思ひます。

そのあたりはかなり徹底してゐるので、僕が書いた文章や單語たんごを調べても現代假名かな遣ひは無いでせう。

(漢字にくわんしては、新字體しんじたいで書くこともあります。あくまで例外ですが)

 

いぢわるな人であれば、僕にこんな質問をしてくるでせう。

「ビジネスメールとか偉い人とのやり取りとかはどうしてるんだ!? そのケッタイな日本語は使へないだろ!!??」

大丈夫です。ちよつとしたワザを使へば歴史的假名かな遣ひを使はずに歴史的假名かな遣ひを書くことができるのです。

廣辭苑前文方式

廣辭苑くわうじゑんとは國語こくご辭書じしよの「広辞苑」のことです。

廣辭苑くわうじゑん前文方式とは、廣辭苑くわうじゑんの前文で書かれてゐる標記法のことです。

以下、こちらより引用(漢字は萬朶櫻の方で變更へんかうしてゐます)
廣辭苑くわうじゑん前文方式とは「歴史的假名かな遣」と「現代假名かな遣」の間で表記に相違がない語のみを選んで文章を書くことです。

廣辭苑くわうじゑんの前文がこの樣になって居ることからの稱であり、現代假名かな遣にたいして反感を持ち、歴史的假名かな遣を使用したいと思念する人が、それとづかれずに歴史的假名かな遣を使用する方法です。
引用以上

要するに、「歴史的假名かな遣ひと現代假名かな遣ひ、どちらともとれるやうな書き方をする」ことです。

たとへば「使ふ→使用する」「思ひます→思って居ります」

こんなふうに書き替へることによつて、僕から見ると「これは歴史的假名かな遣ひで書いたぞ」と言へるし、見る側からは「これは現代假名かな遣ひで書かれた文章だ」と思ふことができるのです。

以下、僕のメールのやりとりから引用します(漢字もそのままにしてあります)

こんばんは。xxです。

制作時間についてのご提案をいただき、有り難うございます。とても参考になりました。

私の身辺につきましては、近々会社を辞めることになりますので、制作時間が制限される様なことはなくなるかと(これはここ数日の気まぐれではなく、数ヶ月前から自分で思案した上での決断です)。
自分にとっての最適なスケジュール構成を練っていきます。

以上、さてんでみてください。「普通の」文章にしか見えないでせう?

僕のかしこまつたメールとかは全部このやり方です。

もし「普通に」書くとしたらこんな感じですかね。

こんばんは。xxです。

制作時間についてのご提案をいただき、ありがたうございます。とても參考さんかうになりました。

私の身邊しんぺんにつきましては、近々會社くわいしやめるでせうから、制作時間が制限されるやうなことはなくなるかと思ひます(これはここ數日すうじつの思ひつきではなく、すうヶ月前から自分で考へた上での決斷くゑつだんです)。
自分にとつての最適なスケジュールを考へてまゐります。

やり方

詳しいやり方はこちらの廣辭苑くわうじゑん前文方式演習にあります。
あとアンサイクロペディアにも情報は少ないですが、あります。

リンク先に丸投げするのはくないので、僕がメールでよく使ふ言ひまはしを紹介します。

 

その前に廣辭苑くわうじゑん前文方式は、使ふ人によつていくつか細かいバージョンの違ひがあります(上のリンク參照さんせう

萬朶櫻のやりかたは

  • 漢字は新字體しんじたいでもいい
  • 「ゃゅょっ」は使つてもいい
  • 人名地名などの固有名詞でもなるべく現代假名かな遣ひは避けたい
  • 外來語ぐわいらいご(カタカナ語)はなるべく避けたい

こんな感じです。

それを踏まへて以下、どうぞ。

  • ~してゐる → ~して居る
  • ~と思ひます → ~かと/~と存じます/~と思って居ります
  • ~考へて → 思案して/考慮して
  • ~のやうな → の様な
  • ありがたうございます → 有り難うございます
  • よろしくお願ひします → よろしくお願します/よろしくお頼み申し上げます
  • ~れば幸ひです → ~ればありがたいです/~ればうれしく存じます

コツとしては、なるべく漢字にたたみこむことです
例:言ふ→言及する お願ひします→お願します

また別の言葉に置き替へる
例:嫌ひな→好きではない/得意ではない/苦手な

これでたいていの言葉はなんとかなります。

まとめ

こんな感じに、歴史的假名かな遣ひを使ふ人でも自分の信條しんでうを崩さずに生きていける方法が廣辭苑くわうじゑん前文方式です。

上のリンクではいづれも「面倒い」「こんな書き方するくらゐなら現代假名かな遣ひ(もしくは歴史的假名かな遣ひ)で書いた方がいい」と書いてますが、

僕はもう慣れましたし、メールのやりとりなんかはほとんど上で紹介した定型文でりきれます。

なのでそんなににすることは無いと思ひます。

要するに慣れですな。

 

そんなわけで、歴史的假名かな遣ひで苦戰くせんしてゐるあなた、廣辭苑くわうじゑん前文方式をつかつてみませう!